いま手にしているもので
満足することを知りたい
初任給。今の職場での。十分過ぎるくらいに十分過ぎる額。
その数字を目にして。
心の底で感じていたことは。
やっぱり寂しさ、悲しさだったんだってば。
お給料日の帰り道。お家に向かって幹線道路を斜めに入り、銭湯の裏側を眺めながら歩くあの道で。感じていたこと。
ここにある、寂しさをちゃんと受け止めなきゃ。感じてあげなきゃ。
わたしには、夢も、目標も、何もない。…と思っていた。あのとき。
悲しい。寂しい。
喜びと伴に。
…だいじょうぶ。わたしはここにいるよ。ちゃんと。
ここにいてあげるから。あんしんして。愛しい娘。